Bien-être

介護終了・子育てもほぼ終了で、やっとこさ時間ができたため生き方を「哲学する!」ブログを始めます。ブログタイトルの「Bien-être(ビヤンネートル)」とは、フランス語で「頭も心も体もここちよくいられる状態」のこと。おフランス風Bien-êtreの視点から考える暮らしのつぶやきとADHD息子を中心とする教育の問題が中心。

ADHD 不登校大学生、登校への歩み ー クラウドファンディング (1)

ADHD不登校息子の登校へのきっかけとなったのは、以前書いたようにバイトを始めたことです。

bien-etre.hatenablog.jpこの結果わかったことは、登校を目指すならば、自分がアウトサイダー的な人間ではなく、あくまでも社会から受け入れられているという、いわば「社会的な自己肯定感」が必要であるということ。バイトは不採用、寮での規則破り(友人を部屋に入れる)など、怒られることが日常化し、アウトサイダー的外見による差別と偏見にすっかり慣れっこになったしまった彼のメンタルは、「どうせ……」。

 

そこで、じゃあ、世界は本当に冷たく、攻撃の対象になるようなものでしかないのか確かめてみないか?と、アウトサイダー的な彼が作る音楽にどれくらいの人が共感してくれるか、私とチームを組んでクラウドファンディングを行ってみることを提案した。

 

もちろん、この時点で、私は目標額を達成するとは思っておらず。ただ、彼一人の力でどのくらいの金額を集められるか興味がありました。(結果、目標額の30%ぐらいは友人やファンによって集めることができたのは、予想以上でした。)

 

さて、ここからは、作戦上「絶対成功」させなければなりません。近くに住む友人には直接事情を説明し協力を仰ぎ、遠方に住む大学時代の友人や知人には、以下のようなメールを送付しました。(一部変更しています。)

 

「お元気ですか?ご無沙汰してます。ちょっと今日はお知らせとお願いがあって連絡させてもらいました。

実は今息子(音楽やりすぎ不登校)と共同で、ミュージックビデオを作るためのクラウドファンディングをやっています。

このクラウドファンディング、実は、息子は「自分の周りには100円出すのも嫌がる人ばかりで、学校も行かず、音楽だけやっているような反社会的な人間に対しては、絶対にお金なんか集まらない。大人がお金を出すのは優等生にだけ。」と考えています。一方、私は、「大人を舐めるな!損得第一ではなく、どんな表現形態であってもアーティストや若者の夢を応援してやろうというちゃんとした大人は私の周りにはいっぱいいる。見てな!」という立場をとっています。

つまり、このクラウドファンディングは、いわば「社会の善意を希求しながらも現実はそう甘くないのではないか……」と大人びて後ろ向きになりはじめた19歳の若者による実験みたいなものなのですが、私は、「母として」というよりも「マトモな大人」代表として、意地でも成功するところを彼に見せたいと考えています。

そんなわけで、友人として「ちょっと支援して!」というお願いなのですが、よければご協力いただけませんでしょうか?なにぶん、そのような事情のため親が支援するわけにもいかず……です。

支援方法がややこしいかもしれないので、協力したいがやり方がわからん!という場合はお知らせください。待ってま〜す!」

 

結果、私の周りの素敵な大人たちは、当然のようにみんな協力を約束してくれることとなります。本当に素敵なひとたち!改めて感謝です。

 

 

ADHD 不登校大学生、登校への歩み ーバイト編

ある程度結果が出てから書こう、書こうと思っていたら1年近く経ってしまったのですが、ADHD不登校息子は、登校を開始し、今や大学生活をenjoyしまくっているので、その歩みをざっと記録しておきます。

 

まずは、一年前の振り返りから。

このころは、秋学期から行く気満々だったくせに、履修登録のミスから全く行く気を無くした息子に、せめて朝起きるという正しい生活習慣を身に付けさせようと試行錯誤していました。(興味のある方は下の記事を参考にしてください。)

 

結果は、結論から言うと、全く効果なし!まあ、私の気晴らしになったくらいでした。しかし、事態は思わぬところで変化します。

それは、ジャジャ〜ン!

 

短期のアルバイトに雇ってもらえたことでした。

 

なんだ〜、普通じゃん!と思うかもしれませんが、実は普通ではありません。ある意味、神がかり的な奇跡の連続でした。

基本、自分の興味のないことには情報収集のかけらもせず音楽を作る息子を尻目に、夜な夜なネットで、短期、髪色自由、彼の下宿先近辺で息子のアルバイトを探しつづけたのは母。(これはこれで、結構、楽しかった……。世の中には実にたくさんのお仕事があるものです。)

そして、究極のバイトをみつけます。細かな条件は忘れてしまいましたが、学校に行くという習慣を身につけるために、こちらがお金を払ってもいいような内容でした。

 

勤務地:息子が通っている大学。

時給:1500円くらい。

内容:研究室が行う宅配ロボットのデータ集めの手伝い。

勤務時間:朝9:00〜18:00くらい。

しかし、外部委託で派遣なので面接は大学とは関係ない派遣会社で行われることになりました。友達に履歴書を書いてもらったようですが、金髪、ジャージ姿で面接に行き、結果……不合格

 

その後、ビデオ屋の面接も不合格で、本人、完全にやる気喪失。しかし、神様は存在するのです。

数日後、派遣会社から電話がかかり、突然一人都合で来られなくなったため、勤務地近くに住み、どんな時間帯でも暇である息子に白羽の矢が立ったのでした。

 

全部で20日間くらいの仕事でしたが、まあ、きっと遅刻はしたと思いますが、クビにならずに全て自分で起きて出勤。

 

お金もらえるなら、睡眠障害とか関係なくふつーに学校に行けるのか!と腹立ちまぎれに驚く母。しかし、一番驚いたのは本人。朝起きて仕事に行くということができただけで、それ以来、ものすごい天才のように自分のことを扱いはじめます。派遣のおじさんたちとおしゃべりしながら、大学生生活を送る若者を外から眺めるという状態。プラス、学生証を持っているので、派遣仲間とは一線を画して大学生ヅラして図書館で自分だけ休憩とることができるという不思議な状態。この経験を通して、一気にその後の流れが変わりました。

 

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楽天モバイルどんな感じ?

1年前に息子の大学入学にあたり携帯をソフトバンクから楽天モバイルdocomo回線)に変えたのですが、「どう?」という質問を結構受けるので感想。

私の場合「とっとと変えておけばよかった」です。

店頭に行って自分がどんな感じで使っているかを説明したけれども、ものすごく混んでいたのでチャットサービスを利用する方がいいかも。

都会在住息子は、動画をよく見るが高いお金は払えないので高速通信を使い終わった後もスピードは遅くなるが適度に快適にみられるスーパー放題プランS(一番安いやつ それでもいろいろ割引サービス期間が終わると2900円くらいになるはず)、私、田舎で移動は車、移動中にYou tubeを聞いたり、教室でテザリングを使用することがあり、たいていの月は5GB使用を超えないが、ソフトバンクのときと同じにしようと思って5GBプランのデータSIM (SMSなし1450円 税別)。たまに超えたときは、ほぼ動画閲覧などはできなくなるがサイトをみる程度は問題なし。ただ、12時〜13時はスピードがとたんに遅くなるので、動画閲覧はまず無理。テキストは大丈夫。(そのようにして料金を下げている。)私は、12時半まで午前は仕事なのであまり関係ないが、ときどき忘れていて腹がたつことはあるが許容範囲。

通話も問題ないが、めんどくさいのは、安くかけよう(無料通話を含む)と思うと、通話履歴から電話番号をコピーして楽天用のアプリからかけなおさなければならない。これが、一番の難点で、ときどき忘れてそのままかけてしまいしまった!となるから、着信→かけなおしが多い方は注意。(息子とは基本Line通話)

と、不満点はあるが、私は楽天カード楽天銀行楽天証券楽天だらけなので割引もあり、一人でソフトバンク使っていたときの半額の料金で二人分の携帯使用料となりました。

SIMの変更とか、データの以降は冊子通りにやると問題なし。一人で、パソコンソフトのインストールとかできる人であれば簡単でしょう。ということで、変えようかな〜と思われる方は、下のアフィリエイトから申し込んでいただけると私にも少しお金が入ります。

ちなみに、妹はY!mobile

「草枕」冒頭の芸術論。

新年を迎えるにあたり、こう考えた。

というのは嘘で、漱石草枕』の引用ですが、有名な、「に働けばかどが立つ。じょうさおさせば流される。意地をとおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。」に続く文章が、本質をついていてとてもカッコいい。

「住みにくさがこうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいとさとった時、詩が生れて、が出来る。」  (夏目漱石草枕青空文庫より引用)

 

 

社会の中でのアートの役割

私は「フランス語」という仕事柄、周りに絵や音楽といったアート系の方が多い。アートで暮らしを立てている方も、他のお仕事と両立している方も、趣味でアートを楽しんでいる方も。そしてそんな方たちの2世は、ほとんどこれまたアート関係の卵。私は、教育もアートだと思っているので、我が家も例外ではない。

世間一般では、アートで暮らしていくことはそれはそれは難しいと考えられている。そして金銭のことを考えると恵まれないアーティストの卵たちの顔は暗くなる。だがしかし!、アートをきちんと社会の中に位置づけることができれば、私はアートで一人の人間が食っていくことはそれほど難しくないと考えている。そして、アーティストが食べていけない社会の方がおかしいのだから、アーティストは意地でも食っていけるよう頭を使って、クリエイティビティをばらまかなければならない。それはマーケティングうんぬんではなく、もっと根本的なところでアートの力を見直すことからはじまるように思う。

ということで、この記事、この学校が素晴らしい。

www.cinra.net「偉大な芸術を作るためには世界に目を向けなければならないと思う。人間は世界から孤立して生きていけるはずがないからね。アーティストは自分たちのクリエイティビティを世界にシェアすべきなんだ。何らかの困難に直面して弱ってしまった人たちに、クリエイティブな方法で手を差し伸べることができる、それがアーティストだからね。」

卵も親も頑張れ!

社会的格差と健康格差の笑えない相関関係

フランスの「老人学」、ちまちま仕事の合間をぬって進めていますが、今お勉強している箇所は「社会的格差がいかに健康格差を生んでいるか」というのがテーマ。

健康格差の原因とみなされている社会的要素(収入、地理的、文化度、食べ物、依存や引きこもりなどの)を細かく分析しているのだけど、これがもうあらゆるデータをこれでもか!これでもか!という感じで、「貧乏+老人の不幸」を押し付けてくる。

例えば、食べ物を例にとると、

1. 普通の老人は現役時代より収入が減ることによって「社会的弱者」となる。食費が一番削りやすいので食費を抑える→栄養のバランスが悪くなる→栄養不足→様々な病気(体も心も)。栄養をたくさん含む新鮮な食物は往々にして高価であるため、金持ちより栄養摂取が悪くなる。(かつて労働者だった人たちの平均寿命と会社役員であった人たちとの平均寿命の差をデータとして見せつけられる。)ちなみに、貧困層独身高齢女性の一日の食費は3〜4€らしい。

2. 現役世代と比べると、肉体的に栄養の吸収が悪くなる、歯などの機能が衰えたり、近親者の死や病気、自分の死の問題などで鬱的になり食欲減退、肉体的にきつくなるので料理をしなくなる、重い荷物を下げて買い物から帰るなどというのが困難になるので、配送などに頼るしかなくなり新鮮な食べ物へのアクセスができずらくなる。→栄養のバランスが悪くなる(1と同じ循環に陥る。)

暗い。とても暗い。そして、この暗〜い部分の一部が、お手伝いさんを雇ったりとお金を出すことによって軽減される可能性があるのが楽しくない。ならば、お金のない人は、人柄でもって金銭を払わなくてもみんながワイワイお手伝いさんみたいに集まってくれる環境を作っておくことが大切である。

Sans Avenir : 「未来はない」の烙印

息子がremixで作っていたラップの元ネタがフランス語のものだったので、聞いてみたらかっこよかった。生徒指導の先生に、Sans Avenir (未来なし)の烙印をおされるラッパーの歌。

m.youtube.com

Oui, je sais madame, le rap a failli gâter ma vie
Hi, madame Pavoshko, non
J'suis pas en prison ou à l'hosto', non
J'fais des hits, madame Pavoshko
Et vos gosses me kiffent, madame Pavoshkoe

Oui, j'ai pas eu mon bac, oui, j'ai pas eu mon BEP
Oui, j'ai pas eu mon brevet, oui, mais j'vous remercie
Vous m'avez donné la force d'réaliser l'un d'mes rêves les plus fous
"Les yeux plus gros que le monde"

 

「はい先生、ラップは私の人生を壊しかけた。いいえ、先生、私は刑務所にも病院にもいません。ヒット曲を作っています。パヴォシュコ先生、あなたの生徒はみんな私のことが大好きです。 はい、私は、大学入学資格も職業教育終了書も資格ももっていません。でも、ありがとうパヴォシュコ先生、あなたは私にキチガイじみた夢を叶える力をくれた。”世界よりももっと大きな目”」

なかなか洒落ている。