Bien-être

介護終了・子育てもほぼ終了で、やっとこさ時間ができたため生き方を「哲学する!」ブログを始めます。ブログタイトルの「Bien-être(ビヤンネートル)」とは、フランス語で「頭も心も体もここちよくいられる状態」のこと。おフランス風Bien-êtreの視点から考える暮らしのつぶやきとADHD息子を中心とする教育の問題が中心。

「私に名誉を 与へて下さい」太宰治がラッパーっぽい。

 

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本日まで、愛媛県美術館で行われている「川端康成東山魁夷展」。ポスターも地味だし、あまり心惹かれていなかったのだけど、谷崎・三島・太宰・岡本かの子林芙美子などなど超豪華文人たちの手紙が展示されているというので行ってきた。これが、とても楽しい。

 

その中で、太宰が芥川賞選考の前に、川端康成に送った手紙が展示されている。周りに面白いから見に行ってみてとオススメしたところ、サバサバ女子に一番不人気なのがこの太宰のメンヘラ手紙だった。

 

「困難の一年でございました 死なずに生きとほして来たことだけでも ほめて下さい」

 

「最近 やや貧窮、書きにくき 手紙のみを多く したためて居ります よろめいて居ります 私に希望を 与へて下さい 老母 愚妻を いちど限り 喜ばせて下さい 私に名誉を 与へて下さい」

 

とはいうものの、最初の引用の「生きてるだけで褒めてくれ」というこの発想はなかなかスゴイし、2番めの引用文は「最近 やや貧窮、書きにくき」で「n」とか「ki」がいっぱいだし、「したためて居ります」「よろめいて居ります」の後に怒涛の「下さい」3連発。でもって、音読すればわかる素晴らしいリズム感。完全にラップかポエムに思えて、個人的にはとてもかっこよく思える。

うちの息子、太宰のこの手紙を見習って、教授たちに単位をせがむリリックをかいてラップにし、EP作って金儲けすればいいと思う。