Bien-être

介護終了・子育てもほぼ終了で、やっとこさ時間ができたため生き方を「哲学する!」ブログを始めます。ブログタイトルの「Bien-être(ビヤンネートル)」とは、フランス語で「頭も心も体もここちよくいられる状態」のこと。おフランス風Bien-êtreの視点から考える暮らしのつぶやきとADHD息子を中心とする教育の問題が中心。

マイブーム:心も体も「健康」がモラルとされる問題を検証する。

以前から気になっていたスポーツクラブ、コンビニ化問題。なぜ、「文化系」で長いこと暮らしてきているのに年をとると「体育会系」にならないといけないのか?この問いを周りになげかけるとみんな困った顔をする。やはり、足腰が立たなくなると……。わかる、とてもわかるよ。だけど、無言の圧力で当たり前のように、そして、やらないやつは馬鹿扱いされるのが当然みたいな風潮は嫌なのである。

という、へそ曲がり「がんこばばあ」みたいなことを悶々と考えていたときに、この本に出会った。値段が高いので図書館で借りてきたが、「へそ曲がり仲間」ができたようで面白い。

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不健康は悪なのか 健康をモラル化する世界 [ ジョナサン・M・メツル ]
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 「なぜ私たちは健康でなくてはならないのだろうか? なぜ私たちは肥満していてはいけないのだろうか? そしてなぜ私たちは、性的にも精神的にも遺伝子的にも健康でなくてはならないのだろうか?メディアによって作られる美意識、公共広告によって喧伝される新たな疾病――今日の「健康」という概念には、医学的問題を超えたイデオロギーが含まれている。精神医療、遺伝子医療、原子力政策、グローバルヘルス・サイエンス……私たちの「健康」は誰に、またどんな歴史的背景から生み出され、どのように私たちの日常生活に溶け込んできたのだろうか。いまや資本主義経済を駆動させ、ときに法措定的な力にまでなっていく「健康」という新しいモラル。本書を通して、この新たなモラルの出現によって、いかに私たちそれぞれ固有の健康が危機にさらされているかが実感されるだろう。」

 

この本の中で、次のような文章がでてくる。

「脂肪とタバコはあなたの健康を害する物かもしれないが、慰めを施してくれる物である、くつろぎを促してくれる物であり、美を授けてくれる物でもある。」(p.16)

ふむふむ。そして、ちょっとググってみる。この主張が正しければ、デブと喫煙者の自殺率は低いはずである。

たばこと自殺について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ

結果:この研究では喫煙者の方が自殺率が高いが、理由は不明とあった。

そして、また少し考えてみる。それは、喫煙者がみんな(社会)から疎外されていじめられているからではないのか?

「国家権力は、より一層押しつけがましくなり、市民としての自由気ままな行為や公衆の週間をさらに抑圧するようになっている。政府が個人の健康や衛生を指図するという事態は、神権政治全体主義国家に共通してみられる特徴である。ヒトラーは、公衆衛生と個人の清潔を懸念して喫煙を禁じた。健康の名の下に、しばしば、政治的、宗教的抑圧が働いているのである。」(p.21)

どんどん、偏屈ばばあのわがままな主張が理論武装されてくるが、このまま進んでいくと自分の興味とは違う方向にいく気がする。

 

そうこう考えているときに、数少ない購読しているブログの更新案内がきた。で、わかった。私は「不健康」=「不道徳」という風に健康の概念が単純にモラルと結びつくことがモーレツに嫌であったのだ。ちょっとスッキリ。

p-shirokuma.hatenadiary.com